今日は、先端恐怖症について詳しく見てみよう。
先端恐怖症とは?
先端恐怖症とは「先が鋭いものや尖っているものに恐怖を感じてしまう」症状を意味します。
先が鋭いものや尖っているものが、自分に向けられていなくても恐怖を感じ、身近なものであっても症状が出てしまうため、通常の生活がしにくくなってしまうのです。
先端恐怖症の症状
人間が先の尖ったものに対して恐怖を感じるのは普通のことです。
しかし、先端恐怖症の人は普通の人よりも著しく恐怖を感じてしまいます。
先端恐怖症の症状は以下のものが挙げられます。
- 恐怖
- イライラ
- めまい
- 頭痛
- 動悸
その他にも、人によって症状はさまざまで、症状が重くなると、熱が出たり、パニック障害になったりすることもあります。
また、先端恐怖症の人は以下のようなものに対して恐怖心を感じます。
- 針
- ナイフ
- カッター
- つまようじ
- 鉛筆
- 傘
先端恐怖症の原因
先端恐怖症になる原因にはさまざまですが、大きく分けて2種類あると言われています。
- トラウマ
- 遺伝
最も多いと言われているのが尖ったもので怪我をしたなどのトラウマが原因になっている場合です。
幼少期は感受性が鋭い時期なので、幼少期にこのようなトラウマになると、とくに影響を受けやすくなります。
一方、トラウマがなくても先端恐怖症になる人も存在し、この場合は遺伝が関係しているのではないかと言われています。
しかし、先端恐怖症自体が遺伝しているというのではなく、不安を感じやすい性格が遺伝しており、先端恐怖症になったのではと考えられています。
また、うつ病などの症状の一つとして先端恐怖症を発症することも報告されており、この場合、先端恐怖症の原因である病気を克服することが必要です。
先端恐怖症の克服方法
先端恐怖症にはさまざまな克服方法がありますが、日常生活に支障がある場合は自分で直そうとせず、専門家を頼るようにしましょう。
先端恐怖症の克服方法では、主に3種類に方法が使われます。
- 認知行動療法
- 自律訓練方法
- 暴露療法
認知行動療法
「認知行動療法」は、尖っているものに対する異常な恐怖心、つまり認知を治す、修正する方法です。
鋭いものや尖ったものは、自分や人を傷つけることがあるため、誰もが恐怖を感じます。
しかし、先端恐怖症の場合、尖ったものに異常なほどの恐怖を感じているため、尖ったものへの捉え方、つまり認知の仕方を変えることで症状が和らくのです。
専門家にカウンセリングを受けながら「尖ったものは必ずしも怖いものではない」というように考え方を修正します。
自立訓練法
先端恐怖症は、多くのストレスによって自律神経が乱れ、その結果発症することもあります。
このような場合には「自立訓練法」で克服するのが有効でしょう。
自立訓練法は、心を自分でコントロールすることで、尖った物に対する恐怖心を克服するという方法です。
ストレスによって乱れてしまった自律神経を整えることで、「交感神経」と「副交感神経」のバランスを整えることができます。
これによって心の状態も整って、ストレスとともに先端恐怖症も克服できます。
暴露療法
「暴露療法」は、恐怖を感じるものに、あえて挑戦してみることで克服するという方法です。
この暴露療法は、先端恐怖症の克服にも有効です。
実際に先が鋭く尖っているものに頻繁に対峙することで、少しずつ慣れていき、次第に先端恐怖症を克服していきます。
暴露療法は、逆効果になる場合もあるため要注意です。専門家の指導のもとで正しく行い、少しずつ段階を踏みながら進めていきましょう。
先端恐怖症まとめ
身の周りにはたくさんの鋭いものや先が尖ったものが存在しています。
そのため、先端恐怖症の人は人一倍苦労しているでしょう。
ですが、専門家に相談して正しい方法で治療していけば、その辛さを和らげることができます。
本記事のチェックポイント
- 先端恐怖症は、先が鋭いものや尖っているものに恐怖を感じる。
- 主な症状は「恐怖」「イライラ」「めまい」「頭痛」「動悸」など。
- 重い症状になると「発熱」「パニック発作」など。
- 克服方法には「認知行動療法」「自律訓練方法」「暴露療法」など。