インナーチャイルドとは?
インナーチャイルドは「心の中に持ち続けている子どものままの部分」のことです。
大人になるにつれて人は様々な経験をし、少しずつ物事への対処方法を学んでいきます。
けれども人は大なり小なり子どもの頃から変わらない対処方法しかできない部分を持ち合わせているものなのです。
それがインナーチャイルドです。
- 誰かに何かを指摘されたら、内容を聞かずにすぐ謝る
- いつも喧嘩になるとすぐに泣きそうになって言葉が出なくなる
- 誘ったのに断られると嫌われているのではと不安でたまらなくなる
上記の行動はインナーチャイルドが自分を守ろうとして無意識に起こった行動であり、インナーチャイルドはネガティブな感情が湧いてきたときに出やすくなる存在と言われています。
インナーチャイルドの由来
インナーチャイルドの由来は明確にはなっていません。
しかが、一説には交流分析ではないかと言われています。
交流分析とは1人1人の性格を下記の5つに分け、それぞれがどの程度機能しているのかバランスをはかる分析方法です。
- 父親的な部分
- 母親的な部分
- 冷静な大人な部分
- 自由な子どもの部分
- 従順な子どもの部分
従順な子どもと言われる部分がインナーチャイルドの由来ではないかと言われています。
インナーチャイルドとアダルトチルドレンとの関連性
インナーチャイルドはアダルトチルドレンの治療を行う際にアプローチする心の部分として提唱されたものです。
インナーチャイルドがあることによって、その人の対人関係の取り方や物事のとらえ方にゆがみが生じ、その人自身を苦しめる結果となっています。
そのためインナーチャイルドを癒し成長を促すことで、その人のうまくいかなさにアプローチするという心理療法が行われるようになりました。
アダルトチルドレンとは
元々はアルコール依存症の親の元で育った子ども(Adult Children of Alcoholics)の略語。
今は虐待や感情抑制を強く強要される家庭で育ってきた人が、生きづらさを感じている場合にアダルトチルドレンと表現するようになっています。
自分を常に押し殺すのはしんどいですから。
でもアダルトチルドレンと言われる人たちは、無意識に自分の意見を押し込めたり、まるで意見がないようにふるまってしまうところがあるんだ。
インナーチャイルドを癒すメリット・デメリット
ただしデメリットもあるから気を付けたほうがいいと言われているよ。
メリット
インナーチャイルドを癒すことによって、人との関わりにくさや、生きづらさを解消できるのが大きなメリットです。
インナーチャイルドが残っていることによって、自分の気持ちを大切にできなかったり、嫌なのに人に合わせてばかりで疲れてしまったりすることが多く起こります。
そういった生きづらさや対人関係の強いストレスを緩和することができるでしょう。
デメリット
インナーチャイルドを癒すことで生じるデメリットは自分の子どもの頃から引きずっている辛いことを直視しなければならないことです。
傷ついたままの自分を見つめ直し、それをなぐさめ成長させることがインナーチャイルドを癒すには必要になります。
インナーチャイルドを癒す方法
インナーチャイルドを癒すことは精神的に疲れるデメリットが存在しますが、もし社会の中で生きづらさを感じているのであれば、チャレンジしてみると良いかもしれません。
また、インナーチャイルドを癒すための道筋はいくつかあり、専門家の力を借りることで、より安全にしっかりとインナーチャイルドを癒すことが可能となります。
マインドフルネス瞑想
マインドフルネス瞑想は「今の自分の気持ちを客観的に見つめて、しっかりと意識で感じ取っていく作業」です。
例えば、カウンセラーと対峙して座っている自分というものに意識を向け「肩が凝っている、肩だけではない、歯も食いしばっている、とても緊張している」など自分の体の状態や心の状態を見つめて、普段意識しないこともあえて意識するようにするのです。
マインドフルネス瞑想を続けることで、自分の抱えているインナーチャイルドの存在が少しずつはっきりしてきます。
グリーフセラピー
グリーフセラピーとは「身近で大切な人を喪失した時に、ゆっくりと心を癒していくためのセラピー」です。
その人との思い出を振り返りながら、別れをゆっくり受け入れていくことを目的に行います。
インナーチャイルドを癒すときにも、このグリーフセラピーが有効です。
人は生きている中で時間が逆戻りすることはありません。
子ども時代の心の傷とお別れし、大人としての今の自分を生きていくということを目的にグリーフセラピーを行うんだ。
インナーチャイルドセラピー
インナーチャイルドは、子どもの頃の出来事が完結していない状態のままになっているからこその存在です。
インナーチャイルドセラピーで今の自分が抱えている問題から時間軸をさかのぼり、どういった子ども時代を過ごしていたのか振り返っていきます。
例えば、母を困らせてはいけないと強く思い込んでいて、何か意見するときに母が望む答えが何か、そればかり考えていたなどです。
その時感じていた苦しさを今きちんと感じ直すことによって、未完のままになっていた傷を完結させることができるというセラピーです。
好きなことをする
インナーチャイルドを癒すのは、傷ついた部分を直視し、再度傷つき体験をすることになるためとても苦しい作業になります。
その中でおすすめなのが、好きなことをするということです。
インナーチャイルドの存在によって、自分らしくふるまうということ自体が出来にくくなっている人は多くいます。
自分らしさというものがわからなかったり、どうしても自分の気持ちに素直に動けなかったりということがあるのです。
そういった時に、とにかく何でもいいから、自分が好きだと思うことをするようにしてみると良いでしょう。
どんな小さなことでも良いので、自分が好きと思うことを思い切ってやってみることで、少しずつ自分を大切にするという感覚がわかってきます。
見て見ぬふりをされてきたインナーチャイルドは、それによって癒されていきます。ぜひ自分の心の声に耳を傾けてみましょう。
インナーチャイルドまとめ
インナーチャイルドは誰しも大なり小なり持っている存在ですが、普通は普段の生活にそれほど支障があるものではないのです。
ただ、幼少期の傷が大きかったり長い間じわじわと傷ついていたりすることによって、大人になっても普段の生活に支障を起こすようになります。
人に意見ができなかったり、人の顔色ばかりうかがったりしてしまうなど生きづらさを感じている人は、一度自分の中のインナーチャイルドを見つめてみると良いかもしれません。
インナーチャイルドチェックポイント
- インナーチャイルドは「心の中に持ち続けている子どものままの部分」
- インナーチャイルドの由来は分かっていない。
- インナーチャイルドを癒すにはメリットもデメリット存在する。