サブリミナル効果とは?
サブリミナル効果とは「人が意識できないレベルの刺激によって人を動かす効果」を意味します。
有名なのは、一瞬だけ映像を見せるというものであり、普通の映像の中に人が認識できないほどのスピードで別の映像を何度も挟み込み、無意識のうちに行動を操作する方法です。
人間の目には認識できないスピードでケーキの映像が流れているため、私たちはケーキの映像を見たことには気づいていません。
しかし、なぜかケーキが食べたいと思ってしまうのです。
これが、サブリミナル効果により、無意識にケーキを食べるように誘導された結果です。
これを聞くと「ケーキを買ってください!」と宣伝するよりも、すべての映像にケーキの画像を挟んだ方がケーキが売れるのではないかと思いますよね!
サブリミナル効果の具体例
サブリミナル効果の具体例として有名なのがジェームズ・ヴィカリーの実験です。
【実験内容】
映画館で、コーラを飲むのとポップコーンを食べるのを促すメッセージを何度も一瞬だけ見せる。
その結果、コーラは約2割、ポップコーンは5割以上も売り上げが伸びたというのだから驚きです。
つまり映画の観客は、普通に映画を見ていただけなのに一瞬だけ表示されていたメッセージの影響を受けて「コーラとポップコーンを買わないと…」という気持ちになったわけです。
日本でのサブリミナル効果の具体例
日本でもサブリミナル効果が使われた例があります。
有名なのが、平成7年アニメ「シティーハンター3」の再放送中に、とある宗教団体の代表者の写真が表示されました。
この放送はサブリミナル効果を疑われ、当時問題になったのは言うまでもありません。
これにより、NHKと日本民間放送連盟はサブリミナル効果を狙った表現を禁止しています。
使用が禁止される理由とは?
サブリミナル効果の使用は、日本だけではなくカナダなど海外でも使用が禁止されています。
どうして海外でも禁止されているのでしょうか。その理由に迫ります。
洗脳される恐怖
サブリミナル効果は、自分で知覚できないレベルのスピードの映像により影響を受けます。
そのため、防ぎようがなく知らず知らずのうちに洗脳される恐怖があるのです。
自衛できず、周りも異変に気づかないため、普通に生活しているつもりなのに見えない何かの影響を受けている可能性があります。
この洗脳される恐怖から守るために、禁止されました。
悪質な行為とみなされた
サブリミナル効果は、意図的に相手をコントロールしようと狙ってやるものです。
相手が知覚できるならまだしも、相手が知覚できないのに一方的にコントロールしようとするのはアンフェアです。
特に日本では宗教団体の代表者の写真が挿入されるという出来事があったため、悪意ある使われ方をする可能性が高く、悪質な行為だと思われて禁止されたというわけです。
サブリミナル効果は嘘?
実は、サブリミナル効果で一番有名な実験を行ったジェームズ・ヴィカリーが実験結果を嘘だと認めています。
また、カナダである番組内で数百回も電話を促すメッセージを表示したものの、視聴者が影響を受けて電話するということはなかったという実験結果も存在しており、なかなか肯定的な結果が出ていません。
そのため、実は嘘なのではないかと言われるようになりました。
しかし、近年では肯定する結果も?
しかし、近年になってサブリミナル効果を肯定する下記のような実験結果も出てくるようになりました。
のどが渇いていている参加者に紅茶の銘柄の単語を一瞬見せることで飲み物の中からその銘柄を選択させることに成功した。
参加者が普通の状態ではなく、比較的疲れている状況ならサブリミナル効果が出やすいことが判明した。
また、次のような実験もありました。
参加者はある問題を解くためのヒントとなる映像を一瞬見せます。
映像は一瞬だけで、知覚できないため、普通に映像を見てもヒントはわからず、問題を解くことはできません。
しかし、「正解すると報酬がある」と告げると、6割程度の人が、映像を見て正解できました。
報酬があることを意識したことにより、サブリミナル効果を受け、無意識に正解を選べるようになったわけです。
以上のことから、人は普通、サブリミナル効果を受けないものの、「疲れていて施しが欲しいと思っているとき」「利益を得たいと思っているとき」にサブリミナル効果を受ける可能性が高いと言うことができます。
サブリミナル効果まとめ
サブリミナル効果とは、人が意識できないレベルの刺激によって人を動かす効果です。
その危険性からテレビでサブリミナル効果を狙うのは禁止されています。
しかし、サブリミナル効果はないとする実験結果も多く、決して万能なものではありません。限定された状況で効果があるものだと思っておくといいでしょう。
本記事のチェックポイント
- サブリミナル効果は無意識に影響を与えて人を動かす効果
- サブリミナル効果は効かないことが多い
- 疲れや利益を求めるときなど限定的状況では効果が出ることも